乳幼児に呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。1年を通じて感染がみられますが、特に秋から春頃に流行し、約8割のお子さんが2歳までには一度はRSウイルスに感染すると考えられています。私たちの日常生活においてとても身近なウイルスです。
発熱、鼻水などの症状が数日続いた後、咳がひどくなったり、ゼーゼーやヒューヒューなどの呼吸音を伴うようになります。症状が悪化すると、呼吸困難に陥ることもあります。
多くの場合は単なる「かぜ」で済みますが、予定日よりも早く生まれたお子さま(早産児)、生まれつき呼吸器や心臓に病気を持っているお子さま、あるいは免疫不全を伴うお子さまやダウン症候群のお子さまが感染すると、重症化しやすいことが知られています。
今のところ、RSウイルス感染症に有効な治療薬はありませんので、重症化しやすいお子さまには予防が必要です。シナジスはRSウイルス感染症の重症化を予防するための注射薬です。
シナジス(パリビズマブ)は遺伝子組み換え技術によって作られた、RSウイルスに対する「モノクローナル抗体」です。ワクチンではありませんので、ワクチンのスケジュールを変える必要がなく、通常の予防接種と同時にも注射が可能です。
シナジスは弱体化させたウイルスを体内に取り込んで抗体をつくらせるワクチン(予防接種)とは異なり、抗体そのものを体内に取り入れ、RSウイルスの増殖を防ぎます。予防には違いありませんが、体内で抗体を作れるようになるわけではありませんので、定期的な接種(1か月に1回)が必要になります。
シナジスの対象は以下のような保険適応のお子様に限り接種しております。
在胎週数28週以下で、1歳未満のお子さま
在胎週数29〜35週で、生後6ヶ月以下のお子さま
過去6ヶ月以内に気管支肺異形成症などの呼吸器疾患の治療を受けたことがある2歳未満のお子さま
2歳未満の先天性心疾患を持つ子供で、血行動態(心臓や血流)に異常があるお子さま
2歳未満の免疫不全を持つお子さま
2歳未満のダウン症候群のお子さま
シナジスによって、RSウイルスによる呼吸器感染症の入院率が50%程度減少することが報告されており、その効果が広く認められています。
RSウイルスが流行する夏頃から翌年の春頃まで月1回、筋肉内に注射します。
RSウイルスの流行時期は、今後変わることがあります。
発熱、注射した場所の腫れ、痛み、発疹、肝機能異常、お腹の調子が悪くなる、咳や鼻水などのかぜ症状などがあります。
重大な副作用としてアナフィラキシーとして冷や汗、吐き気や嘔吐、全身のじんましん、息が苦しくなる、顔が青ざめる、声が出にくくなるなどの症状がみられた場合には、すぐにご連絡ください。
事前にシナジスの予約が必要となります。接種をご希望の方は、お電話もしくはクリニックで直接承っております。
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